弁明

和的日常で「満点ママ」と書かれて激しく動揺しました。全世界に発信されるインターネットの場で虚像が一人歩きしてはいけないのでここで実情をお話します。まず、私をよく知る人物ならもうご存知ですが、私は料理に向上心のかけらもありません。我が家では魚をさばくこと、激しく炒めること、キャベツの千切り、土日の炊事、複雑な味付け、などなど、これらは全て夫の担当です。炒めものぐらいはたまに作りますが、夫が中華鍋をじゃんじゃか振り回して火を出しながら炒めるのを見ると、あえて私がやらなくても…と簡単にやる気を無くします。そもそも「鍋が重くて振れない」という理由でやる気を無くすくらいです。
夫は鍋を振るだけでなく、土日には平日の分の惣菜まで作り置きします。ラーメンを食べたい、と私が気まぐれに言えば、鳥を買ってきてダシとったりもします。母乳にいいレシピ、と言われてもさっぱり思い浮かばない私に代わって手作りナムルを作ったりします。満点ママを差し引いて余りある落第妻ぶりです。
こんな私が何故離乳食を作るかと言うと、賢明な方はお気づきになられたでしょうか。そう、離乳食には「味付け」が無い……!野菜を切って、くたくたに煮て、時に裏ごしして、素材の味だけでいいんです。こんな私でも作れるんです。
も一つ言うと、私は料理が苦手な割りにレトルトやコンビニ弁当を買いません。味が苦手なんです。賢明な読者はここでまたお気づきになられたでしょうか。そう、私離乳食必ず食べるんです。作って、やるだけ、な訳ありません。自分も食べるに決まってます。食べることだけが人生の楽しみなんです。赤ん坊よりも楽しみにしているまであります。BFは食べる気にならない…という理由で自然に作ってしまうわけです。
ちょっと脱線しますが何故レトルト嫌いなのかと考えると、子供のころから家でレトルトが出てきたことが無かったことに起因していると思います。うちの母親は毎日鰹節を削ってました。ずっとうちのキッチンには鰹の塊があったんです。調味料やダシもレトルト使いませんでした。また、クリスマスには必ずケーキ(ブッシュドノエルとか)を焼いてました。スナック菓子も中学になるまでほとんど食べなかったと思います。おやつは芋、とかでした。
最近になって、子供のころの影響は計り知れないというのがわかりました。私は何故か市販のめんつゆが受け付けられず、必ずダシから作ります。味付けは面倒だと思ってるのに、ダシ取るのは大好きで苦になりません。あと料理しないのにクリスマスになると突然ケーキ焼きます。○○の素、みたいなレトルト調味料が使えない、かといって味付けの仕方もわからない、まあいいや夫に丸投げ、となるわけです(笑)。

最後に松田道雄先生の「育児の百科」から。

野菜の裏ごしをつくったり、肉をひき肉にしたりするので、離乳食をこしらえるのに一日合計3〜4時間をついやすが、母親にしてみると、少しも苦痛でない。世界一楽しいママゴトをしているようだ。

3〜4時間は嘘だけど、気持ちは全くもってその通り。